ジレンマはどこにたどり着くのか?

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現在、Potcast「RADIO SAKAMOTO」というのを聞いているのだが、
その中で、

「今回いちばん言いたかったこと「六ヶ所村」問題」

というのをやっていた。

「青森県六ヶ所村にある、3月31日に試験運転(しかし実際に行う)を開始した「核燃料再処理工場」の話なんですが。ここは、原発が通常出す放射能1年分を、1日で出しちゃう…大気と海に放出してしまうという、そういう施設。そうすると漁業で生活している人をはじめ、さまざまな影響が出ますよね。大きな問題だと思うんだけど、日本のメディアはほとんど報道しない。これは将来の世代にわたって影響を及ぼします。今回は、2年間、現地で取材を行ったドキュメンタリー映画『六ヶ所村ラプソディー』を映画監督:鎌仲ひとみさんのインタビューをオンエア。この番組のポッドキャスティングでも鎌仲監督のインタビュー完全版を配信します。僕らも問題意識を高めてもうらおうと思って、ラッパーのSHING02クンやクリスチャン・フェネスと楽曲を制作中です」

という内容だった。

 このPodcastでは、映画監督:鎌仲ひとみさんのインタビューがひたすら流れていたのだが、かなり身につまされる内容であったことは確かだが、このインタビューを聞いて、私は自分の中で一つの言葉にぶち当たった。

それは、

『ジレンマ』

という言葉である。

ジレンマという言葉について、調べてみた。

ジレンマ

ジレンマとは、相反する二つの事柄の板ばさみになること。三段論法のひとつ。ディレンマとも。


ジレンマ

ジレンマ(dilemma)とはある問題に対して、二つの解が存在し、それらが互いに矛盾し受け入れがたいものである状態。
 解が三つあり、そのどれもが矛盾する場合にはトリレンマ(trilemma)と呼ぶ。

主なジレンマ
・囚人のジレンマ
・ヤマアラシのジレンマ
・社会的ジレンマ
・安全保障のジレンマ
・マレー・ジレンマ
・ワーノックのジレンマ

と、ジレンマという言葉はこういうことであるが、これは世の中に無数にある。
 
 例えば、この六ヶ所村問題に通ずるところがあるが、原子力発電所というものを例にとるとする。
 原子力発電所というのは、今や発電設備の中ではトップクラスの出力を誇り、火力発電・水力発電・風力発電などと比べると桁違いな出力である。しかし、原子力発電は放射能を放出する恐れがある。先のチェルノブイリ原発事故にしろ、あれだけ大量の放射能を自然界に放出してしまったわけで、その被害たるや想像を絶するものであったであろう。その「放射能もれ」等の危険性ということを考えたら、人々にとってそれは脅威である。当然、そういったものへの反発の声も多かれ少なかれあるのも事実である。
 しかし、今現在の我々の時代、電気がないと生活できないくらい「電気というものに依存」した暮らしをおくっている。ライフラインの一つであるのは言うまでも無かろう。

 ここで私はジレンマを感じるのである。
 私だけではないと思うが。。。
 
 話がそれてしまうが、発電というものは、そもそも、「あるエネルギー」を「電気エネルギー」に変換することを指す。これはアインシュタインの「E=mc*2」にも絡んでくるのだが、すべての物質はエネルギーを持っており、それをいかに実用的なエネルギーに変換できるか?に話は集約する。風力発電は、「空気の流れ」というエネルギーを風車?を使ってモーターを回し、電気エネルギーに変換する。その最先端技術とも言うべきものが原子力発電なわけだ。「あるエネルギー」を電気エネルギーに変換する、変換効率が風力発電や火力発電に比べ、原子力発電はべらぼうに大きいわけだ。
 その原子力発電の課程は、ウランを燃料とし、その核分裂の際に発生する熱を利用して、水を蒸発させ、その蒸気でタービンを回し発電するのである。
 
 話が大分それてしまったが、その強力な発電設備であるにも関わらず、それは人間にとっての脅威や人間の存続までもを脅かしてしまうほどのものである。

 しかし、電気は必要だ。

 映画監督:鎌仲ひとみさんも話しておられるが、「私は原発には反対だ」と主張しても、電気を使わない暮らしをするわけにもいかない。ちょっと具体的に行動したとして、「私は原発で発電した電気はつかわないから、我が家には火力発電した電気だけを送電しろ」と言ったところで、これまた無理な話である。

 とどのつまりは、自分のポリシーなどから発せられる主張と現実とは相反するものになってしまう可能性が多分にあると言うことである。

 
 他にもある。
 
 動物愛護団体などの組織があるのだが、絶滅種の動物の乱獲に反発したり、ある特定の動物の捕獲に異論を発するとしよう。だが、その人たちすべてが肉というものを食べていないと言い切れるだろうか?肉を食べないからと言っても死に至るとは限らないが、太古から肉というものは人間が活動をする上で必要不可欠なタンパク源であったはずである。では、肉は食べないが、魚も食べないのか?植物もたべないのか?
 人間は内燃機関を持っていないため、外部から食物というものを摂取しないと、生きてはいけない生物である。


 このように、人間は、おそらく昔から、このような主義・主張と現実の狭間を行き来しており、その答えは未だかつて見いだされたことはないのではないかと私は思う。このことについて、「ジレンマ」という言葉が当てはまるかどうかはわからないが、少なくともトレードオフの関係にある。
 これは人間というものが、地球上で生きる一つの生命体である以上、どうしようもないことなのであろうか?地球という大きな存在の中で、巨大な生態系の一部である以上、解決はされないことなのだろうか?

 答えが出るとすれば、それは地球という星が滅んだ瞬間なのではないだろうか。。。。


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