失楽園(1997年9月22日)

大学時代に毎日WEBで日記を書いていて、結構好評だったんです。 このカテゴリーでは、その中から自薦の厳選ネタをお届けします。


失楽園(1997年9月22日)


バイト先に、いいかんじのおばちゃんが来た。

 夜の9時ちょっと前(時刻をきっちり覚えている)に、若い女の子2人と、その子達のどうみてもおばあちゃんというかんじのおばちゃんが3人連れ立ってやってきた。
 んで、受付をしようとするやいなや、孫娘2人はすでにくすくす笑っていた

「いらっしゃいませっ、3名様で」

「はいっ」

「お時間は何時間歌われますか?」

と聞くと、いままで後ろの方でたっていたおばちゃんが、ツカツカツカッと歩み寄ってきて、

「1時間!!!、1時間でええ!!」

とものすごい勢いで言ってきた。

「はぃ、1時間ですね」

と僕が言おうとすると、その孫娘たちが

「1時間じゃ足らんよぉ。1時間半にしよっ」

と言った。

そしたらおばちゃんが

「だめっ!!、1時間ってゆうちょろうがぁ!!、10時までに帰らな、今日は大事なテレビがあるけぇのぉ!」

と叫んだ。そして孫娘が

「いいってっ、ビデオちゃんと予約してあるけぇ!!」

と反論していた。

僕らバイトの2人が少しの間そういった問答をお客同士でやっているのを見てたんだけど、きりがなさそうだったので、

「あの。。。なんかあるんですか?」

と聞いたら、おばちゃんが、それはそれは嬉しそうな顔して


「ん?、、うふふふ。。壮絶なる出会いだわいや。。」


と言った。

んで、僕はそんなTV番組あってっけ?と疑問に思って

「はっ?、そ、壮絶なる出会い?ですか?」

と聞くと、またまたこの世のものとは思えないようなニンマリ笑顔で


「ぐふふふふ。。。失楽園。。。」


と言った。。。


僕は笑いをこらえるのに必死だった

 その僕の葛藤を孫娘が気づいたらしく、代わりにその孫娘2人が大笑いし出した
と、そこで、おっ、ここは笑ってもいいぞっって思って、僕ともう一人のバイトのやつも大笑いしだした。
 そしたら、それまでニンマリ笑顔だったおばちゃんが、いきなり般若のごとく形相が変わって


「なにが悪い!!!!」


怒り出してきた

「あっ。。いえいえ。。なんでも。。。。(プププ)」

笑いをこらえながら言った。
 
そして孫娘が

「ビデオにちゃんと予約したからっ、ねっ」

と言って、しぶしぶのおばちゃんを説得し、1時間半で部屋に入っていった。。。。。


で、時間にして、10時10分前だったかに、いきなりそのおばちゃんが受付にやってきて


「あぁ、おにいちゃん、1時間半ってゆったんだどもなぁ、1時間にしてくれんかぁ」


と言ってきた。

「はいっ、30分キャンセルですねぇ、はいっ、わかりましたぁ」

と言った。そしたらまた、


「今日は大事なテレビがあるけぇのぉ。。はよ帰らなっ。んじゃ、そういうことで」


と言った。

「んで、ビデオ、セットしてるって、お子さんたち言ってませんでしたっけ?」

と言うと、


「あぁ、、あらぁ、嘘ついちょる。。」


と言い放った(笑)。

僕は知らなかったけど、今日は失楽園が最終回らしかった

だからそのおばちゃんに、

「今日は最終回ですからねぇ」

と言ったら、


「ま!!!!、最終回!!??、なんでもっとそれを早く言わんね!!」


といって、ダッシュで部屋に戻り、孫娘たちを連れて大急ぎで帰っていった

帰り際に、


「あ!、ありがとうねぇ、おにいちゃん、今日は大事なテレビがあるけぇねぇ。。あはははは」


と言って去っていった。。。。


いやぁ、失楽園ねぇ(笑)。

あのおばちゃんがどういう顔して失楽園を見てるか、見てみたい(笑)。。。

多分、前につんのめってテレビにかじりつきでみてんだろうなぁ(笑)。


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